スクエアフォルムが表現する左リューズと歴史
数あるクロノグラフの中でも、ひと目でそれと分かる存在感を放つのが TAG Heuer CAW211P.FC6356、通称モナコです。
丸型が主流だった時計の世界で、スクエアケースという大胆な選択をしたこのモデルは、今見てもなお新鮮。そのデザインが単なる個性にとどまらず、ブランドの哲学として根付いている点に、TAG Heuerの奥深さを感じます。
モナコの誕生は1969年。
世界初の自動巻クロノグラフのひとつを搭載し、しかも防水性を備えた角型ケースという、当時としてはかなり攻めた一本でした。
さらに、映画『栄光のル・マン』でスティーブ・マックイーンが着用したことで、一気にモータースポーツと時計を象徴する存在に。TAG Heuerが長年モーターレーシングと深く関わってきた歴史が、このモデルには自然と重なります。
装着してみると、角形ケースに対するイメージが良い意味で裏切られます。
見た目ほど主張は強くなく、腕に自然と収まる感覚。ケースの角が強調されすぎない設計と、レザーストラップの柔らかさが、日常使いしやすい理由です。
「角形=扱いにくい」という先入観は、このモデルには当てはまりません。
丸形が主流の今だからこそ、モナコに足を止めた方にお伝えしたい。単に“珍しい形”の時計ではなく、「デザインで挑戦し続けてきたTAG Heuerの姿勢」を腕元で楽しめる一本。
初めて角形時計に挑戦する方にも、ぜひ手に取っていただきたいモデルです。